厚生年金加入逃れの調査強化の話
- 社会保険労務士曽根事務所
- 2019年10月31日
- 読了時間: 2分
昨晩のネット及び今朝の日経新聞で、下記のような報道がされていました。
「厚生年金『加入逃れ』対策 日本年金機構の権限強化へ」(NHK NEWS WEB)
「厚生年金逃れ、事業所検査強化 厚労省」(日本経済新聞・10/31(木)付朝刊)
法人事業所(全業種)および従業員5人以上の個人事業所(農林水産業、サービス業などを除く)は、健康保険・厚生年金保険が強制的に適用されますが、保険料負担の重さ(健康保険と厚生年金保険の合計で14~15%(事業主負担分のみ))から事業所の加入逃れが多く、厚労省は立ち入り調査を強化する方針とのことです。
(参考)
※報道されている内容以外にも、パート契約の適用除外(2ヵ月以内)の運用見直しや厚生年金の標準報酬月額の上限引き上げなども検討されており、要チェックです。(資料1~3に記載あり。)
8月末に、5年に1度の年金の財政検証が発表された後、年金制度の先行き対する不安が募る流れの中で、厚生年金の企業要件撤廃などが検討されていますが、加入逃れの摘発強化もその一環でしょう。そもそもなぜ加入逃れが起きるのかという根本的な問題には、自分の仕事を含め利害関係者が多く踏み込みづらいところですが、現行の社会保険制度の下で加入逃れが起きないようにするには、税務署や労働基準監督署に比べ弱い年金事務所の調査を、権限強化によってより実効性のあるものにしていく必要性は感じます。合わせて、中小企業の実態を知る者としては、適用事業所になっていても、正社員だけ加入させ、パート・アルバイトは社員並みに働いていても加入させていない企業も少なくなく(従業員自身も保険料負担を嫌い入りたがらないケースも)、こちらの問題も解消していくことが必要でしょう。少なくとも、企業だけでなく従業員までもが入りたくないと思うような制度であってはいけないです。
少し前に、日経新聞だけが、外国人の年金の脱退一時金の上限金額が3年から5年に増額されるということを報道していました。(これは昨年12月に日経を含む報道各社が取り上げていたニュースでした。)今後の外国人労働者の増加に対応した法改正とのことですが、そもそも脱退一時金が安すぎる(返戻率27.2%~50%、但し36ヵ月以上はいくら加入しても上限に達し増えない。)ことも、外国人労働者が年金に加入することを嫌がる原因であり、諸外国と年金制度を通算できる社会保障協定の締結を進めるのと同時に、脱退一時金制度の見直しも、もっと踏み込んでほしいと考えます。実際、現場で外国人労働者に年金加入を説得するのは企業の担当者なのですから。
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