今月施行された働き方改革関連法の内容はすでに報道や多くのサイトで紹介されています。
※正しい情報としては、以下の厚労省HPにある資料をご参照ください。
厚生労働省HP「「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について」
全部触れると長くなるので、企業の労務担当をやっていた者として、気を付けたいと感じたことを少し触れます。
・前倒し付与の場合
法定通りに有休を付与している場合は関係ありません。
(法定通り=入社から6ヵ月後に初回付与、初回付与日以降1年ごとに年次付与。)
前倒し付与の場合、付与された有休が合計10日に達した日を基準日として、その日から1年以内に有休を5日取得させる必要があります。
例1) 4/1入社・有休5日付与、7/1有休5日付与(合計10日)
7/1~翌年6/30までに5日取得。
(ただし本人が自ら請求・取得していた場合等はその日数分を5日から控除。)
例2) 4/1入社・有休5日付与、10/1有休5日付与(合計10日)
10/1~翌年9/30までに5日取得。(法定通りと同じ)
なお、前倒し付与を行うと、初回付与日以降の年1回の年次付与も、前倒し付与した日が基準日になるという点が要注意です。さらに、初回付与からの1年間が2回目の付与からの1年間に重複する期間がありますが(例1のケースだと翌年4/1~6/30)、1年目と2年目を通算してその期間の割合に応じた日数を取得すればよいこととなっています。(例1のケースだと7/1~翌々年3/31に合計9日(≒21ヵ月÷12ヵ月×5日))
※詳しくは冒頭の厚労省HPに掲載されている「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」P8~10をご参照ください。
・就業規則への記載
有休年5日取得義務化に伴い、会社が有休の時季指定をしなければなりませんが、これを就業規則の有休の規定に追記する必要があります。うちの会社は全員有休完全消化しているというところは不要かもしれませんが、急に有休がとりづらくなる事態が起こるかもしれませんから就業規則には載せておいた方が無難と考えます。
※詳しくは同P7に、規定例を含めて記載されていますのでご参照ください。
・年度の途中に育児休業から復帰した労働者への対応
これ、盲点でした。物理的に不可能な場合を除き取得させなければならないとのことです。物理的に不可能とは、復帰後の期間が(基準日までに5日未満など)使用者が時季指定すべき有休の残日数より少ない場合です。
※詳しくは同P22のQ14に記載されています。
Comments