進む働き方改革・・・転勤廃止の記事を見た雑感
- 社会保険労務士曽根事務所
- 2019年7月18日
- 読了時間: 2分
更新日:2019年7月30日
7/16(火)夕方に配信された日経新聞の「全社員、転勤命令なし AIG「地域限定」など区別なし」という記事を見て、なるほどと思う一方で、正社員の転勤がなくなる流れが強まれば、ますます同一労働同一賃金の対策が必要になるなぁとも・・・。
働き方改革が進み、多様な働き方を認めようという流れの中で、地域や職種の限定正社員制度の導入が注目されています。しかし、「ワークライフバランス」という言葉も定着した今、家族を連れていくにせよ、置いていくにせよ、「ライフ」に大きな影響を与える「転勤」を望まない人が少なくないなら、地域限定とかじゃなく、いっそ全員「転勤」をなくしちゃえばいい。。
(記事では「社員の75%が転勤を希望していない」とありました。)
会社としても、人手不足で採用が厳しい中、社員を自由に転勤させられることで得られるメリットと、転勤廃止による採用力強化などのメリットを天秤にかけたら、合理的な選択と思う一方で、同一労働同一賃金、特に住宅手当の格差のことも気になってしまいました。
正規・非正規の不合理な格差を禁止する同一労働・同一賃金ですが、格差がある場合の根拠として重要なもののひとつが正社員には「転勤」があるという点。ハマキョウレックス事件の最高裁判決で契約社員への住宅手当不支給が不合理ではないとされた根拠も転勤有無でした。blogで先週触れた高松高裁の判決では住宅手当・家族手当の不支給は不合理となりましたが、おそらくはこの会社では正社員に転勤がなかったか、いずれにしても正社員と契約社員とで違いがなかったのでしょう。今後、基本給以外の手当が多く、かつ手当を支給対象外とする非正規従業員が多い会社は、対応を検討する必要がありそうです。
日経新聞のWeb記事は有料会員限定となっていたので、参考までに他社記事を。(日経新聞は他の大企業の事例も載せていたので、読める方は日経の記事の方がベターかも。)
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